矢を射る

2011/05/21
もう一つのローズクオーツの結晶。少し大き目。

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しばらく仕事やらプライベートやらでストレスが大きかった。ぼ~っとパソコンを眺めたり、着物に逃げたりしていた。今日も漫画の話です。

西炯子さんの「ひらひらひゅ~ん」
「ああ、笹原健一くんは普通に見たら無色透明まっすぐな水晶なのに、本当はすっごく透明度の高いローズクォーツなんじゃないか?」

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以前にも書きたことがあるけれど西炯子さんの作品が昔から好き。
ちょっとアクが強いので苦手な人も多いだろうけど、この人も常にマイノリティにより添おうとする人だ。
地方都市の高校弓道部の青春(だよね;)を描いた「ひらひらひゅ~ん」は2巻までは持っていたけど一話完結の連作方式のためかつい続きが出ているのを忘れてしまっていた。ようやく買ってきて読んだけれど・・・。
これで終わりってそりゃないぜ!西さんっ
おばさんはまた一週間くらいもんもんとして眠れませんっ(>_<)

私はいわゆる「腐」を楽しむ趣味はないので、ことさら二次創作に関してはあまり寛大ではありません。
それでも自分自身が広い世の中のマイノリティに属するタイプの人間であるためか、そういう意味でのそういった物語(いや心情というか)には弱いです(注:私自身は「それ」ではありませんが)
今市子さんや西さんはそのあたりをとても丁寧に救い上げて描くのがうまい(まぁ時として西さんはちょっとお下品ギャグ満載になることはありますがー)

主人公でありながらどこか存在感というか個性の強さでは周囲のキャラクターに負けていた健一くんが第一話以来最後にその個性の真価を発揮する第4巻。
健一くんはまことナチュラルでまっすぐで、でも決して綺麗ごとで垣根を作ったりもしない。
無心でいながら常に周囲を感じ取る。それでいていたって普通の高校生っぽいからいい(とはいえ少女漫画だからね)

そしてレオケンの背負うものもさらりと描いているので読んでいる方は単なるそういう青春萌え漫画で流してしまうんだろう。
でもレオケンのキツさは「星は歌う」の千広とサクヤみたいな内向き自己愛なんかじゃない。
ギャグが得意な西さんなのであまりシリアス過ぎず、でもそれがかえってレオケンの健気さいじらしさにやられてしまうよ。

ああ、やっぱり「親って存在」は馬鹿なのか。

生い立ちはそうそう簡単に克服できるものではない。だからといっていい歳こいて「誰かのせい」にして内にこもるのはやっぱり浅はかだと私は思う。
とはいえ・・・「親」という強大な圧力が子供に与える影響は計り知れない。

昔の人気シリーズの主人公に「嶽野」というキャラクターがいる(うーん、彼ももう結構なお歳のはずだなぁ;)
嶽野と健一くんはちょっと見まったく違う個性も持ち主で、むしろレオケンと似ているようにも見えるのだけど、レオケンに言った健一のある一言が、嶽野を思い出させた。そうか、健一は作者とともに時を経て無駄をそぎ落として成長(?)した嶽野の進化系なんだろうか(実は私はあんまり嶽野は好きじゃないんだけどね~)

健一は本当にしばらくフランスに居つくんだろうか。
レオケンが立派にやっていけるまで見届けてくるだろうか。
本当の信頼と自立。
それでも健一は必ずまたあの海岸で甘太郎(犬)と一緒に智和たちとバカ言ってる気がする。
だけど絶対レオケンともつながっている気がする。そう思わせてくれる西さんのやさしさ。

レオケン、大丈夫だよ。安心して。
・・・・ちゃんと名前書かなきゃね。山本レオナール顕くん。君は世界一の幸せ者かもしれないよ。
美しいローズクォーツは、いつだって遠くても一番近くにある。
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2人が揃って矢を射る姿が見たかったなぁ。
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comment (0) @ 南米
きゃくせんび。 | アフガンの夜空??

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